『よくわかる! ポートレートレッスン』(玄光社)

よくわかる!ポートレートレッスン (玄光社MOOK)

よくわかる!ポートレートレッスン (玄光社MOOK)

 コスプレ撮影始めて●年の今になって今さら写真のハウツー本を読みあさり始めたわたくしなのですが、その中で特に分かりやすかったのがこの本です。


 写真の撮り方は人それぞれで、人によってやり方は違って当然である。しかしその前提として、基本的な知識や技術は習得しなければならない――本書の前書きにこんな趣旨のことが書いてあるのですが、この本はまさにその「基本的な知識や技術」を丁寧に紹介しています。


 例えば、焦点距離の違いによる写り方の違い。
 超広角・広角レンズにつきものの歪みを生かすにはどういうシチュエーションで使うべきか?
 望遠レンズのぼけ方をどう作品作りに生かすか?
 単焦点とズームレンズは、それぞれどんな場面で使うべきか?

 そういった疑問に対し、本書では14〜17mm、24mm、35mm、50mm、85mm、135mmなどなど主要な焦点距離別に推奨シチュエーションを紹介しています。
 作例と解説が一緒に載っているので、こういう考えで撮ったらこうなるのかというのが分かりやすいです。雑誌『フォトテクニックデジタル』の玄光社の本なので、カメラ機種、レンズだけでなくシャッタースピードISO感度、ホワイトバランス……といった情報が一緒に記載されているのも参考になります。

 しかも70mmと200mmで同じ構図になるように撮ったときどんな違いが現れるか? みたいなことも紹介しているのがいい。ここに限らず本書では同じシチュエーションで●●だけ変える、みたいな比較が多用されているのですが、何かと何かを比べるというのは違いを理解する上でもっとも有効な方法です。


 他にも。
 絞りを変えるとどれくらいボケ味が変わるか、ホワイトバランスの変化による色の変わり方(色温度とWBモードの対照表は便利だと思う)、シャッタースピードの使い分け、ハイ・ミドル・ローアングルの使い分け……
 などなど、ごく基本的なことではあるかもしれないけど分かりやすく解説している資料はなかなか無い情報がてんこ盛りです。
 ポートレートを一から勉強したい人、写真を撮ってはいるが感覚的に撮っていて理屈を学ぶ機会が無かったという人には超役立つと思います。
 中級者向けの情報としては、ライティングの解説なんかも載っていますね。ライティング解説はスタジオでの撮影を前提にしているので活用できる機会は限られると思うのですが……。


 でもって、本書を読んでいると、さらに考えさせられることがあります。
 それは、写真って頭を使ったぶん良くなるのだということです。こういう仕上がりにしたいからここの設定はこうする、構図はこうする……みたいな、写真の構成要素には全て理由があるわけですね。まあ僕自身そこまで自分でコントロールして撮れてるかって言われると否なのですが、まあ目標にはしたいと思っています。


 あと、何気に重要なポイントとして、作例として載っている写真が綺麗かつシンプルなのがいいです。モデルさんも可愛いし。
 いや、あんまり個性が強い写真だと技法の見本には不向きじゃないですか。個性のほうに目が行っちゃって。その点この本の作例は、あまりクセがなく素直に撮られている点に好感が持てます。


    *    *    *    *    *    *


 という感じで唐突に始めてみた技法書レビュー。自分が一番得意なのは文章なので、それを生かしてみようかなと思ってですね。
 手元にもう何冊かは紹介したい本があるのでご期待(?)ください。

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